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第3回のゲスト:森浩美さん
島田奈央子のswing pop time

第3回のゲスト:森浩美さん
今月のお客さまは多くのミリオンヒットに歌詞を提供された、作詞家の森浩美さんです。現在、作家としても活躍中の森さんは、新作『家族の言い訳』を持って遊びにいらしてくださいました。ダンディで素敵なお客様に島田さんは始終ドキドキしっぱなしだったそうですよ!

島田:作詞家って面白いお仕事ですよね。
:面白いけど難しいと思いますよ。簡単になりやすそうだなあってみんな思ってると思うのね。だけど実際物書きの中では一番難しいと思うの。なぜならば自分ひとりじゃなくて作曲家やアレンジャーやシンガーや、そういう人たちと協調していかなくちゃいけないから、こちらから詞を出しただけはダメ。…そうそう、後に林田健司くんってSMAPをけっこう長くふたりで書いたりしたアーティストに出会ったんだけど、彼の上げてくるデモテープ。これがもう、めちゃくちゃで(笑)
島田:え?どういう風にですか?
島田奈央子のswing pop time:まず、1コーラス目と2コーラス目でメロディが微妙に違うの。言葉数違うじゃん!って。さらに全部アドリブで“うー”だの“あー”だの入ってる。マイケル・ジャクソンや、プリンスみたいなデモテープが上がってくるわけよ。それがもし天狗になってた20代後半だったら「俺の詞をオマエ~!」って部分もあっただろうけど(笑)。林田くんと出会った30代。メロディを活かすためには詞の方が引かなきゃいけないってことに初めて気づいたわけ。彼の“走ってる”…つまりメロディが軽快に流れている曲に対して、言葉を音符通りに当てはめていくとテンポ感がなくなっちゃう。でも林田くんがデタラメ英語で歌ってるデモを聴くと、そのデタラメ英語が妙に響いて走るんだな。そこで思いついたのが、英語と同じような発音をするような日本語はなかろうかと。つまり撥音便と喋り言葉を多用すること。そうすればひとつの音符にふたつ位言葉が載るんではないかって。と、メロディも走るわけ。例えば“い・い・じ・ゃ・ん”は書くと5文字、つまり5つの音符が必要だけど“いー・じゃん”と喋り言葉で使うと音符ふたつで済む、あまった3つの音符に、たとえば「君は」みたいな別の情報が詰め込めるでしょう。でも音符の数は同じ。だからメロディがより走るようになる。ま、例えのように単純ではないけど。だからそれ以降は、冷静に読むとへんな日本語でも、歌ったら、聴いたら気持ちよい詞の作り方に徹したわけ。もうブロークン・ジャパニーズで構わない。おかげで“日本語を壊す作詞家”と言われましたが(笑)
島田:そうなんですか(笑)
島田奈央子のswing pop time:本当はね、きれいな言葉を使った起承転結のある作品が好きなんですよ。だけど僕の代表曲、特に目立って売れちゃったものはそういうブロークン・ジャパニーズみたいなところがあるので「いつもの森節でお願いします」とかって依頼が来るわけです。自分の中では本当はいいことだと思ってないんだけどそれが代名詞になっちゃった部分があって。だから作詞家志望の人から森さんみたいな作詞家になりたいですって言われると「いや、僕はコピーしない方がいい」ってよく言うのね。僕は松本隆さんとかの先輩にすごく憧れてね、一生懸命コピーしてやってきたの。あの人たちは本物だから。昔のテープのダビングじゃないけど、コピーするならオリジナルからコピーしないと劣化する。コピーのコピーはいけません。だから作詞がどういうものであるか勉強するんだったら松本隆さんとか阿久悠さんとかを勉強しなさい、と。僕みたいな作品は、基本を学んでからの話なんです。
島田:でも若いリスナーにとっては森さんの詞の方が新鮮で、もっと自分たちに身近な感じがするんでしょうね。私の世代もそうなんですけど、小説とかにしてもきちっとしているよりもスピード感のあるものの方が正直好きだったりするんです。だからそういう意味ではやっぱり森さんの影響力はすごくあったのかなあと思いますけど。
:いいか悪いかわからないんだけども、時代的なものを実験していく、検証していくって意味では、チャレンジしないとダメなんだろうなあと思ってはいたし。これは森のカラーじゃないなあ、ホントはやりたくないなあって思ったことでも、評価っていうのはよそ様が決めることですから。
島田:求められるものが?
:そう、求められるものを出していかなきゃいけない。プロフェッショナルってそういうものだと思ってるし。でもね、今はどのメーカーもプロデューサーも、だいたいアーティストっていうか表現する人に詞を書かせちゃうんですよね。そうすると作詞家の出番がないって状況になる。今はいわゆるプロの人たちの受難の時代なんじゃなかろうかと。ただ、僕はこういう人たちを使わなきゃならんと思ってます。プロが作った作品はどの時代にもなくてはならないと思ってるし。それは売り上げでも実証してるよね。最近でいえば「青春アミーゴ」。あれなんてホント、プロ的な作り物としてはよくできてるなって思いましたね。


『家族の言い訳』森浩美 / プロフィール
放送作家を経て、83年より作詞家をはじめる。86年、荻野目洋子に提供した「Dance Beatは夜明けまで」のヒットを境に、森川由加里「SHOW ME」、田原俊彦「抱きしめてTonight」などを発表。軽妙で実験的な作風で知られ、SMAP「青いイナズマ」「shake」「ダイナマイト」、Kinki Kids「愛されるより愛したい」などのミリオンセラーも担当した。また『推定恋愛』シリーズなど執筆活動も盛んで、最新作『家族の言い訳』を双葉社より発売中。
http://www.moriss.co.jp/
『家族の言い訳』 双葉社 \1,470(税込)発売中
“家族”をテーマにした作家・森浩美の新境地を拓く短編集。淡々と築きあげられた世界は、何度も読み返すことでじっくり染み渡る。

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【2006/04/28 15:47】 | 対談 | page top↑
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